注:BCFF7の設定はさらりと無視されています。唯一、主任がヴェルドである設定だけイタダキマス。なぜならツォンさんが前線なんて美味しすぎるから。うまうま。 視界を覆う緑の光。溢れるようなむせ返るような。
見上げた先では、太陽光を受けた緑の葉が眩しいくらい広がり、淡く輝いている。新緑の天井。
複雑に、けれど当たり前のシンプルさで絡み合った葉がどこまでも天を覆っている。けれどそこに息苦しさはない。
隙間から零れ落ちる柔らかな春の日差し。足元の緑は、高級なカーペットよりも心地よく、白や黄色の小さな花を散りばめて。
微かな風に揺れるのを胸いっぱいに吸い込んでみれば、土の香りもほんの少し甘く感じる。
どこまでも清々しいのに、どこか官能的な空気さえ伴ったその空間を、『彼』は愛していた。

カプセルの中では魔晄が、冷たく輝いている。捉えどころのない光の集い。
カプセル越しのそれは無機質な冷たさを思わせるくせに、その中に、あの日と同じ様な温かさや、微かに滲み出るような艶かしささえ感じるのは、魔晄が他でもないこの星のエネルギー…自然を生む力の源であるからだろうか。
なんて、美しい……。
そう、魔晄があの空間と同じものならば。
このカプセルの中で輝く命の源。魔晄を。

『彼』は愛している。
事件が起きたのは、深夜のこと。 正確に言うと、それが事件だと認識されたのは、だ。 「レノ、ルード、それにシスネ。今回の事件について詳しい説明を始めるが、事がカンパニー内部に関わるものであるため調査以下全て内密に行うよう指示された」 「まぁ、いつものことだな、と」 冷静な口調で淡々と話を進めるツォンに、レノが軽く肩を竦めて見せる。 神羅カンパニービル60階のセキュリティルーム。当直の兵を追い出した室内で、ツォンはモニターの前に立って話し出した。 他の三人はそれぞれ好きな位置に立っていたが、その視線はツォンの肩越しに見えるメインモニターに向けられている。 出入り口に近い壁にもたれ掛かり軽口を叩いたレノも例外ではない。 その映像がセキュリティカメラに収められて、すでに数時間が経過している。 「発見が遅れたのは、なぜですか?」 少々きついともいえる口調で問いただしたシスネは、一番奥の壁際に立ち、考え込むように口元に手をあてモニターを睨みつけていた。 「この場合、異常に気付かなかった警備員を責めるべきなのだろうが……状況が状況だ。彼を責めるのは酷というものだ」 ツォンが珍しくもやや同情的なのにはわけがある。 事件、といわれる異常事態が起きたのは、49階ソルジャーフロアにあるマテリアルームでのこと。 ちなみにソルジャーフロアのセキュリティは他の階の担当で、60階は主にここから上階、プレジデントの執務室も含むセキュリティが担当なのだが、都合によりこちらに映像をまわしてもらっただけで、ツォンたちに追い出されて目下60階の片隅で、歩兵のように突っ立ったまま警備を続けている彼には、何の責任もないことなのだ。余談だが。 そのマテリアルームだが以前から継続に関して否定的な意見も重役の間で出ていたそうだが、最近ではソルジャー部門事態が存続すべきか否か、厳しい意見が交わされている。 目下の状況ではそれも致し方ないことだろうとツォンは思う。 現在のソルジャーを取り巻く状況に、彼も全くの無関係というわけではないのだ。 そう、全てはジェネシスの失踪から始まった。ホランダーの関与が明らかになり、アンジールを失い、ソルジャー統括であったラザードの裏切りで、ソルジャー部門はこれ以上ない程のダメージを受けたのに、それさえも凌駕するような衝撃的な事件。英雄セフィロスの死。 そしてもう一人。陽気なソルジャー1st、ザックス。彼とツォンはまるで知らない関係ではない。むしろ、仕事での関係ではあるが親しくしていた方だろう。 そのザックスの、一般的には死亡と発表された事件。 もはやソルジャー部門は、率いる者もいない、頭を失った烏合の衆と成り果てようとしている。 その男は科学者だった。マテリアルームで働く白衣を纏った男。真面目な仕事振りで、特に目立った業績があるわけではないが、任された仕事は淡々とこなしていたそうだ。 残念ながらツォンはこの男の事を記憶していない。特に記憶されるような特徴があるわけでもなかったのだ。目だって良くも悪くもない一研究員。 ただ魔晄に対して奇妙な情熱ともいえるものがあったと同僚に言われているが、それも仕事柄を考えればむしろ望ましいもので、特に注意を払うような言動は何もなかった。そう。何一つ。 それが、この事件だ。 ソルジャーの問題から立て続けに内部での事件が続く現状に、ツォンは不安を抱かざるを得ない。が、カンパニーの将来を一社員である自分が案じるのは分不相応というものだろう。ツォンの仕事は目下、このマテリアルームに配属されていた男の後始末をつけるだけだ。 メインモニターに再び視線を向ける。 マテリアルーム内に散乱したガラスの破片。破壊されたカプセルの欠片たち。壊された機械類に、消えたマテリア。そして、部屋中に溢れる魔晄の光。 それは幻想的ともいえるような、不思議な緑の輝きが、窓のない部屋の天井に、壁に、床に広がり、散りばめられたガラスに反射してさらなる輝きを生み出している。 美しい光景。 けれど、ここに普通の人間が一歩でも踏み込めば、大量の魔晄の光に当てられ、良ければ魔晄中毒、悪ければそのまま命を落としかねない危険をはらんでいた。 それでも、警備員が異常に気付かなかったのもこの場合はしょうがないといえるだろう。 なんせこのカンパニーに雇われた科学者どもは揃いも揃って研究熱心で……言い方を変えれば研究のためなら常識など軽く無視するような社会不適合者どもばかりで、ましてやソルジャーフロアであれば、通常では危険といわれる生の魔晄(カプセルなどで保護されていない)を室内にばら撒こうとも、ソルジャーには耐性があるから平気なのだろう云々などとぶっちゃければ余計な気を回して騒ぎ立てることをせず、夜遅く任務から帰還したソルジャーがたまたま珍しいマテリアを発見し、研究熱心な者が一人くらいは残っているかもと思い扉を開かなかったら、翌日までこれは事件として認識されなかっただろう。 「………明らかに破壊痕と思われるガラスの破片が散らばっていてもですか?」 訥々と確認するルードに、ツォンは溜息を一つだけ溢した。 「その警備員は以前、宝条博士の実験中の警備も担当していた。トレーニングルームの保護ガラス内部の出来事だが、実験体が収められていたカプセルを割ったり、通常では危険といわれるような実験を無理矢理行ったりするのを目撃している」 「なるほどな、と。研究員の非常識さに、ある意味慣れちまったってわけか」 「はた迷惑としか言いようがないわね」 呆れたように言うレノと、ガッツリと切って捨てるシスネ。 「………で、その男は現在…」 「あぁ、逃走中だ」 カンパニーで不祥事を起こした男を捕まえるのが、タークスの任務。 逃げるというなら、どこまでも追いかける。後始末はきちんとつけなければならない。 「でも……」 シスネが再度モニターに目をやり、口元に手を当てたまま呟いた。 「部屋中に、危険な濃度の魔晄をばらまいて……それで、何がしたかったのかしら?」 ツォン編>ザックス関連、ニブルヘイムを訪れてザックスを解放するよう促がす。 ルード編>ルーファウス。ティファとニアミス。レノとザックスの逃走経路確認。 シスネ編>ザックス関連。浜辺、ゴンガガでザックスと再会。:考えればタークスの他メンバーの素性も知らない。 普段、タークスの中では割といい加減で、仕事には真面目だがそれ以外は我が道を行くマイペースなレノだったが、その気になれば脅しの言葉一つなく、人を脅かすことが出来る男だ。 レノ編>普通に犯人を追う。犯人の心情編。ルードとザックスの逃走経路確認。道路にへこんだ痕が。
 
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